連日「中居・フジテレビ問題」が、大きな話題になっています。個人も企業も誠実性と倫理観をベースにしたリスク管理を行わなくてはいけませんね。色々考えさせられます。
 このようなことがあるせいか、最近「信頼残高(信頼口座)」という言葉をよく耳にします。「信頼残高(信頼口座)」とは、スティーブン・コヴィー氏の『7つの習慣』に書かれている言葉です。
 相手との信頼関係や安心感を築くことの大切さを、金融機関の口座や残高に例えたものです。『7つの習慣』では「信頼口座」という言葉を使っていますが、ここでは、「信頼残高」という言葉を使います。同じ意味としてお読み下さい。
 金融機関に預金を預けておけば、元本は守られ、多少なりとも残高が増えていき、お金が必要な時は、いつでも引き出すことができます。それと同じように『7つの習慣』では、人と人との関係の中で生まれた信頼を「信頼残高(信頼口座)」と表現し「信頼残高」がたくさんあれば、困った時に助けられるということです。  
 現在のような低金利時代、預金を増やすことは難しいですが、人間関係における「信頼残高」を守り育てることも中々難しいのです。

 その理由は、
1.「信頼残高」は一人ひとり違う
 銀行口座から、引き出したお金はどこでも使えますが、「信頼残高」は、Aさんとの「信頼残高」は、Bさんには使えないのです。相手一人ひとりと「信頼口座」をもたなくてはならないということです。

2.「信頼残高」は貯まりにくく、減りやすい
 「信頼残高」は貯まりにくく、減りやすいという特徴があります。例えば、初対面の相手が「約束した待ち合わせ時間を守った」としても、「信頼残高」は増えませんが、初対面の相手が「約束をすっぽかした」としたら、一気に「信頼残高」は減ります。
 大企業の不祥事が良い例です。大企業であっても、不祥事を起こしたら一気に不信感が高まり、株価は即日下落します。しかも、失った信頼は、中々取り戻すことは出来ません。信頼を取り戻すためには、地道に、誠実な対応をし続けていくしかありません。このように、「信頼残高」は貯まりにくく、減りやすいという特徴があります。

 『7つの習慣』では、人間関係における「信頼残高」を増やす(預け入れる)方法として、下記の6つの事柄を大切にしましょうと言っています。植田なりの解釈と味付けが入っていますが、自分自身をチェックし、出来て無いところは、即刻改善!

①相手を理解する
 相手のことを思っての言動であっても、相手にとって「ありがた迷惑」であれば、「信頼残高」は減ってしまいます。相手がどんな価値観を持っているか、どんな考え方で生きているか、どんなことが不快に思うか等を知ることが必要ですが、これが、結構難しい!
 私はよく失敗しています。先日もある集まりに誘われました。「お気軽にいらして下さい」と言われましたので、「お気軽に」お伺いしましたら、その集まりは全くその逆で「お気軽」ではありませんでした。またその逆もありです。相手を本当に理解するためには、聴く力だけではなく質問力が必要ですね。

②小さなことに気を遣う
 確かに日頃の小さな親切や気配りは、信頼残高に影響します。思いやりや配慮のない人を信頼することはありません。例えば、☆挨拶をきちんとする ☆席を譲る ☆相手に合わせて部屋の温度を調節する ☆体調が悪い人に気遣いをする ☆相手の小さな行動の変化に気づく ☆物を落とした時に拾ってあげる等、親しい間柄であっても、小さな事であっても、相手への思いやりや気遣いを省略しないようにしましょう。

③約束を守る
 約束を守ることは、「信頼残高」の増加につながります。約束は大きさや内容に関係なく、約束を破れば「信頼残高」は減ります。例えば、後輩に対して「今度、“☆☆レストラン”に行こう」と口約束しました。後輩はとても喜びました。しかし一向に“☆☆レストラン“に行く気配はありません。後輩から「いつ行きますか?」と聞かれた時、「今忙しいから、もう少し待ってね」と言いました。あなたの「信頼残高」は一気に減りました。仲が良ければ良い程、「これ位の約束なら」伸ばしても大丈夫だろうという甘えは禁物。
一度でも約束を破ってしまうと「信頼残高」は一気に減りまず。「出来ない約束はしない」ということを肝に銘じましょう。

④期待を明確にする
 何かを依頼したり、依頼される時は、相手の期待とこちらの期待にズレがないよう、お互いの期待を明確にしましょう。すれ違いは「信頼残高」の低下につながります。
 気を付けたいことは「~つもり」で行動しないことです。「知っているつもり」「聞いているつもり」「言ったつもり」等、「つもり」で行動すと、相手とすれ違いが起き、誤解を招く危険性があります。些細なすれ違いから信頼関係にヒビが入ることもあります。期待は具体的にはっきり伝えて、相手の要望もしっかり聞き、すれ違いを起こさないようにしましょう。

⑤誠実さを示す
 誠実性は「信頼残高」の増加に繋がます。ウソをついたり、隠し事をしたり、傲慢な態度を取ったり、人によって言動を変える等の不誠実な対応は「信頼残高」を減少させます。誠実さは、その場にいない「第三者」に対しても同じです。その場にいない同僚の悪口を言う人を、あなたは人として信頼しますか?「自分も陰では悪口を言われているかも…」と疑ってしまいます。目の前にいる相手に対してだけでなく、その場にいない人に対しても、誠実な態度を心がけましょう。

⑥(信頼残高を)引き出してしまった時には心から謝る
 状況の中で、約束を守れなかったり、気遣いが出来なかったり、間違いをおこしたり、相手から指摘を受けた時は、弁解をせずに自分の非を認め、「ごめんなさい」と、誠実に謝罪しましょう。相手に常に誠実であることが、「信頼残高」を守り増やします。人間は完璧ではありません。相手に不快感を与えたり、迷惑をかけた時は、先ず自分から真摯に謝罪します。

 以上ですが、考えてみれば全て、人間関係における基本中の基本ですね。当たり前過ぎると、相手に甘えたり、手を抜いているかもしれません。身近な人たちと良好な人間関係を構築するためには、できてないことは早期に修正・是正をしましょう。

 さて、2月3日は立春です。 Spring is coming!
 厳しい寒さの中にも、陽差しの中に春の気配が漂い始めました。植木鉢の桜の木にも、堅い花芽が付き、咲く準備が始まっています。当社では来月から、新人研修がスタートします。
 毎年の「ビジネスマナー・インスタラクター養成セミナー」の最終日は、恒例の受講者の熱のこもった指導実習があります。昨年の12月の指導実習では、K金融機関の須田さんが、楽しい「Evolution発声」で皆を盛り上げました。

                              「♪Evolution発声♪」

・あかるい6人   アエイウエオアオ
・賢い可愛い    カケキクケコカコ
・爽やか健やか   サセシスセソサソ
・楽しい研修    タテチツテトタト
・なんやかんやで  ナネニヌネノナノ
・ハッキリクッキリ ハへヒフヘホハホ
・また会いたいね  マメミムメモマモ
・優しさ休まる   ヤエイユエヨヤヨ
・ラッキーガールだ ラレリルレロラロ
・笑って終わろう  ワエイウエヲワヲ
  今日のランチはなんだろな
あきない 今半 楽しみだ
ビジネスドック ありがとう

                                                                                                                                                                                                  ©M.須田

    ♪手拍子を打ちながらの発声・滑舌訓練に受講者はすっかり引き込まれ、
スマイルアップ、元気アップ、ヴォイスアップ♪しました。

LOVE
2025年2月1日
植田亜津子