街路樹の花も「ツツジ」から「紫陽花」にバトンが渡されました。これから雨で沈みがちな気持ちに「紫陽花」や「くちなし」が、寄り添ってくれそうです。
4月に入社(行・職)した新人達も、3ヵ月目に入りました。スクスク育っていますか?
今年も当社はたくさんの新人研修を担当させていただきました。“時代の申し子”である新人を対象とした研修は、指導者にとっても、色々な気付きを与えられる学習の場です。私も今年の新人研修は、例年以上に「ちむどんどん」しました。
因みに、「ちむどんどん」という言葉を知らない方のために、「ちむどんどん」とは、現在放映中のNHK、朝の連続テレビ小説のテーマです。
元々の意味は、沖縄県の方言の一つで、胸「ちむ」は「肝」という言葉がなまったもので、心情や情などを指し、「ちむ」の後ろに「どんどん」を付けると、胸が高鳴る様子を指します。胸がドキドキする(心臓がバクバクする)、心が落ち着かないことを言い、沖縄ではポピュラーな方言なのだそうです。
さて、「ちむどんどん」した新人研修に戻りますが、皆様に今年の新人の状況を是非ともお聞かせいただきたいところです。
今年度の新人研修の個人的感想を申し上げますと、☆無表情(自分を出さない)☆基本スキルの体得に時間がかかる ☆練習をしない ☆大人しいが評論家、等は、例年同様ですが、加えて今年は、☆学び方が変わった(人から学ぶのが下手)☆敬語を使えない(コミュニケーションが横でフレンドリー)、この2点は、今年出会った約500名(業種業態に関係なく)の新人に共通した印象でした。
☆「学び方が変わった(人から学ぶのが下手)」という印象については、確実に「ティーチングからコーチング」の時代に入った実感をもちました。一律の集合研修は、仲間意識や安心感を醸成する上では効果的ですが、自律的行動型の社(行・職)員の育成には相応しくありません。指導者側も、皆が同じことを同じように出来ることを望んだり、言動が揃ってきたことに満足するのではなく、一人一人のポテンシャルをいかに引き出せたかに意識を向けることです。言動が揃っていなくても、バラバラでもよいのです。これからの指導は、「全体」から「個」に目を向けた指導がポイントとなります。時間はかかります。指導者も、新人(受講者)の支援者・伴奏者としての立場と役割を再認識し、コミュニケーションの質的向上を図ることです。そのコミュニケーションの質が、受講者(新人)を「ちむどんどん」させます。
☆敬語が使えない(コミュニケーションが横でフレンドリー)
新人:「せんせ~い、これガチでやるんですか?」
植田:(「ガチ?」って何なんだろう? 取り敢えず)・・「ハイ、ガチです!」
新人:「せんせ~い、これムズイです!」
植田:(「ムズイ?」どこかムズムズしているのかしら?)・・「どこがムズイですか?」
新人:「せんせ~い、研修バズってますね!」
植田:(研修が「パズル? 」取り敢えず)・・「そうですね!研修はパズルですね!?」
上記の会話は、特別な受講者とのやりとりの場面ではなく、これが、男女問わず全体的なコミュニケーションの雰囲気です。
毎日、研修が終わると直ぐに、今日出会った言葉のグーグルチェック「ガチ、ムズイ、バズって」等・・。どちらが新人なのか分かりませんね。
「教育」=「共育」「響育」「今日育」です。新人との対話は刺激的で、異国に来たような気持ちでした。私とのやりとりは、多少チグハグであったかもしれませんが、お互い真剣勝負!
念のため、私のような方へ、
☆「ガチ」→「本気」「真剣」「真面目」などの意味を持つ若者言葉で、良い状況にも悪 い状況にも使用され、意味の適用範囲が広い言葉。基本的には以下3語を押さえておく。 物事の良し悪しというよりは、「極限に達している」「言い尽くせない」というニュア ンスであり、「いつもと違って今だけは本気(真剣)なんだ」という気持ちを示す、主 張や感情における強意表現で、「マジ」に近い意味。
☆「ムズイ」→「難しい」を「ムズい」と言う。すでに70年代末にはあった。同じ様な 系統で、ヤバイ、エロイ等。
☆「バズる」→インターネットやSNSなどを介し、急激に、消費者の口コミで話題が拡 散し注目が集まることを意味する言葉。英語のbuzzが語源で、簡単に言い換えるなら ば「バズる」=「話題になる」。
さあ、言葉の意味が分かれば、翌日から早速実践です。「皆さ~ん、この練習“ガチ”でやってくださいね。それから、職場では“ガチ”と言わないで、“本気で”とか“真面目に”って言いましょう」。「敬語は“ムズい”かもしれないけれど、“ガチ”で練習すれば、自然に敬語が口から出るようになり、人間関係が拡がります。それから、お客様や職場では“ムズい”って言わないで、“難しい”って言いましょう」
「今日は、明るく元気に研修“バズリ”ましょう(使い方が全く違いますが、取り敢えず感覚的に)」(^o^;)
今年度の新人研修は、新人も私も双方「ちむどんどん」しました。
LOVE
植田亜津子