レター No.28「素晴らしい人間関係は“先出しジャンケン”!」(2016年8月1日)

 7月31日の東京都知事選は、元防衛大臣の小池百合子さんが、2位の増田寬也さんに100万票の大差を付けて圧勝しました。都政史上初めての女性都知事誕生です。

 小池さんは、立候補が出揃った段階で、立候補を表明する「後出しジャンケン」が有利とされる中、「先出しジャンケン」に打って出ました。
 出馬会見では、「勝負服」である白いスーツに身を包み、「出馬の決意を固めました。崖から飛び降りる覚悟で挑戦したい」との決意表明でした。
 過去においては、出馬表明が遅かった候補者が全て当選してきました。今回、出馬表明が最も遅かったのは鳥越俊太郎さんでした。“後出しジャンケン有利の法則”は見事崩壊しました。

 さて、人から好かれる人はどのような人でしょうか? 私が色々な人を観察して思うことは、「人のことが好きな人」であること、人に好かれたいなら先に人を好きになる人です。つまりあなたが先に相手を好きにならないと、相手はあなたのことを好きになってくれないということです。
 「優しくしてくれるのだったら、こちらも優しくする」
 「先に挨拶してくれれば、私も挨拶する」
 「先に謝ってくれれば、こちらも謝ってもよい」
 「声をかけてくれれば、話す」
 このような「後出しジャンケン」的コミュニケーションをとる方が最近多いのではないでしょうか。「後出しジャンケン」では素晴らしい人間関係づくりは期待できません。

 「自分から先に優しくしよう」
 「自分から先に挨拶しよう」
 「自分から先に謝ろう」
 「自分から先に声をかけよう」
 このような「先出しジャンケン」的コミュニケーションがとれる方が、人から好かれる人であり、人間関係を拡げられるのです。先手必勝ですね。

 小池さんは当選後に「組織、政党の支援は抜きにして、“劇団ひとり”なんてことも言われましたが、むしろ締め付けられず、逆方向につながった。・・・一票の重み、一票の価値、その大きさ、責任がその分大きいと痛感しています」と。

 「本当の意味で組織のリーダーの仕事は、現場でバタバタ動くのではなく、自分のためにひと肌もふた肌も脱いでくれる現場の人を増やすこと」である。これぞ、正しい「先出しジャンケン」です。
 人に好かれたい、人に応援してもらいたいならば、まず、自分がその人を好きになり、“先出しのコミュニケーション”を送っていくことだということを、改めて感じさせられた、都知事選でした。

 後先になりましたが、暑中お見舞い申し上げます。皆様にとりステキな夏となりますように!

LOVE
植田亜津子

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