春本番です。4月は日本社会においては「始まり」と「変化」に満ちた、特別な月(節目の月)でもあります。また、季節・社会の変化と自身の心の動きが重なり合い、「始まりの喜び」や「変化への戸惑い」も同時に訪れ、心が揺れやすく不安定になりやすい時でもありますので、無理をせず、一日一日を大切に過ごしましょう。
インストラクターの皆様は新人研修で大忙しですね。新人は、社会(業務)経験は少ないものの、素直さと吸収力という大きな能力(パワー)を持っています。新人の「なぜだろう」という疑問は、私たちが当たり前と思っている事柄を見直すきっかけにもなります。
また、新人を育てることは、企業の未来を育てることにつながりますので、指導者は伴走者としての意識を忘れず、愛情と熱意をもって新人を育てましょう。
さて、「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」という言葉をご存じですか?よく床の間や、お茶席の掛け軸で、目にする言葉です。私は、この読み易く分かりやすい言葉が好きです。文字通りに「毎日が良き日」と解釈をしていましたが、そこには、もっともっと深い意味があるのです。
この言葉の由来は、中国の禅僧の雲門文偃(うんもんぶんえん)の公案(禅問答)にあります。
ある日、雲門禅師は弟子たちに向かって、『ここまでの15日間のことは、問わないが、これからの15日間をどうするかを一言で述べなさい」と問いかけましたが、誰も直ぐに返答ができませんでした。そこで、雲門禅師は「日日是好日」と示されました。
この公案の意味は、「過去を悔やまず、未来を心配せず、今をしっかりと生きよ」という教えです。「どんな日も、あるがままに受け入れ、意味のある一日とする」という深い教えが込められています。
私たちの日常は決して順調な日ばかりではありません、雨の日も、晴れの日も、嬉しい日も、悲しい日も、思うようにいかない日もあります。どのような日も自分の「好日」と受け止める心のあり方を表しています。
振り返ってみますと、私たちの「成長」は、平穏・順調な時に生まれるというより、むしろ失敗したり、戸惑ったり等、思うようにいかなかった経験の中にこそあるのです。
「日日是好日」とは、特別な日を指すのではなく、今起きていることは、全て自分に意味がある、必然の事柄である、という禅の教えです。
新しい道を歩き始めたばかりの新人は、これから様々な経験が待っています。今の努力の積み重ねが、未来の自分をつくり出します。出来たこと、出来なかったこと、全て「日日是好日」。
また、ベテランの皆様も、毎日が完璧である必要はありません。大切なことは、惰性に流されず、一日一日を感じながら生活していくことこそが、私たちが目指しているウエルビーングにつながっていきます。
禅語である「日日是好日」は、現代を生きる私たちに大きな示唆を与えてくれています。禅の教えを日々の生活に取り入れることで、心の平穏を得て、より豊かに生きることができます。
まず、心の持ち方を変えましょう。
① どのような出来事も「必要なこと」と考える
~ポジティブ感情が人間を成長させる~
☆例えば、「失敗」や「困難」も、自己成長のための大切な経験・学びと、とらえれば、その後の行動が変わります。
② 過去や未来にとらわれず「今」に集中する ~マインドフルネス~
☆特にストレスの多い現代社会では、「今、この瞬間に集中する」。過去を悔やんだり、未来に不安を感じたりするのではなく、「今、ここ」を生きることに意識することこそが、心を安定させ、幸せを感じるための鍵となります。
③ 時には、「まぁ、いいか」と受け流す
☆全てを完璧にしようとすると、かえってストレスが溜まります。時には「まぁ、いいか」と肩の力を抜き、「これも流れの一部」と受け入れましょう。
いかがでしょう。少し気分が楽になりませんか? 心の状態が変わると、レジリエンス力(困難や逆境から回復し、適応する能力)が高まります。
今日はあなたにとりかけがえのない「好日」です。「今ここにある幸せ」に感謝しましょう。
LOVE
植田亜津子

