秋風が恋しい今日この頃です。天気予報では9月も残暑は続き、秋の到来は遅れ、東京で体感「快適」は、9月下旬頃からと、言われています。
皆様におかれましては、お元気にお過ごしでしょうか? スタミナ切れにならないよう、お肉を食べて頑張りましょう。

因みに、「猛暑日」という言葉は、2007年に気象予報用語として使われるようになり、気象庁により「日中の最高気温が35度以上の日」という明確な定義が定められました。 少し前までの日本はここまで暑くはなかったため、気温が35度以上の日を表す言葉がありませんでした。ところが、地球温暖化が進み、夏に最高気温が35度を超える日が増えたことから、改めて「猛暑日」が作られたということです。(2025年度、日本列島を襲った記録的猛暑:7/24北海道・北見市で39.0℃、8/5群馬県・伊勢崎市で41.8℃、日本の観測史上最高気温を更新しました)。

さて、今回は皆様と一緒に、「成長とは何か」を考えてみたいと思います。
研修から数ヶ月ぶりに新人の笑顔に出会った時や、かつての研修受講者に久々にお会いした時、「成長しているな~」と、感動することがよくあります。
その方々の中で、いったい何が変わっていったのでしょう。仕事をこなす能力と、仕事に向かう姿勢が向上したのは、間違いありません。

業務を遂行するための能力が高まることを「能力的成長」、仕事に対する考え方が適切になっていくことを「精神的成長」と表現します。

「能力的成長」とは、例えば「業務遂行スピードが速くなり、業務の正確性が高まった」、「お客様と効果的なコミュニケーションを交わすことができるようになった」「部門をまとめる力が付いた」「業務上の問題を改善できるようになった」「新しいビジネス提案を積極的にするようになった」等。
一方、「精神的成長」は、「組織の一員としての自覚を持ち責任をもって仕事ができるようになった」「自分の仕事は、職場の他の人に支えられていることを自覚している」「他の人の立場で物事を考えられるようになった」「社会へ貢献している意識で、自分の仕事を遂行できるようになった」等。

「成長したな~」「成長しているな~」と感じる方々は、この「能力的成長」と「精神的成長」双方のバランスがよいように思います。
一方で、「相変わらずだな~」「変わってないな~」と感じる人がいるのも事実です。

「仕事はできるけれども、周りや同僚のことを考えない」「仕事の仕方が自己中心的」な言動に出会う時、「仕事ができるのに、もったいないな」「ちょっと、残念!」という思いがします。つまり、「能力的成長」はできているのに、「精神的成長」が今一つなのです。
現在、若者の早期退職が問題になっていますが、この辺がポイントではないかと思うのです。企業を辞めて解決出来る問題ではなく、当事者も、育てる側も「能力的成長」と「精神的成長」が関連していることを知っておいてほしいです。

自分の力を伸ばしたい、成果を上げたい、認められたいという「自分への思い」を持つことは当然のことですが、同時に、お客様に喜んでもらいたい、同僚を助けたい、社会に役立つことをしたいという、「他者への思い」も育てたいです。なぜなら、他者への思いを持ちながら仕事をする時、人は精神的に成長するからです。

ある金融機関の支店長の言葉ですが、『お客様のためにという気持ちを持って仕事に取り組むと、一つの案件をきっかけに、仕事の幅を広げることができます。100やればいいところを、150やるようになるのです。それによって部下は成長します。そしてその経験を次の機会に活かすことができる。お客様から「次の仕事も○○さんがやってくれるんですよね!」と言われ、素直に嬉しい。お客様の問題を共感できた時や、「次も○○さんにお願いします」と言われると、また、やってやろうと、自律的に挑戦するようになるんです』
部下の「能力的成長」「精神的成長」の必要性を分かっている素晴らしい支援型支店長ですね。

「自分が成長することが、結果的に他者に役立つ」「他者のために頑張ることが、自分の成長に繋がる」という相互補完的な関係が、仕事のやりがいや、自分自身の成長を実感させるのです。「自分への思い」と「他者への思い」が融合する時、大きな成長のエネルギーが生まれます。
高度な専門知識や経営技術をもちながら、不正取引などに手を染めてしまうビジネスエリート達は、能力的には成長していても、精神的には成熟していないケースです。

このようなことを考えていましたら、ラグビーの精神が頭に浮かんできました。「One for All、 All for One 」「No side」。
ラグビーはその昔、貴族の子弟を紳士に育てあげる教育技法であった、という文章を読んだことを思い出しました。

酷暑であった8月のお疲れが出る頃です。季節の変わり目の9月、健康には十分にご留意ください。更なるご活躍をお祈り申し上げております。

ホイタラネ~

LOVE
植田亜津子