本格的な夏の到来です。お暑い毎日ですが、お変わりありませんか?
これから、かき氷が美味しいシーズンですね。インスタラクターの皆様の「推し」は何ですか?イチゴ・メロン・抹茶・ミルク・小豆・・・!? 私はいつも死ぬほど迷います。
先月、テレビ朝日の「題名のない音楽会」~新しい音楽の突破口!不協和音の音楽会~、を見ました。
マエストロ鈴木優人氏が分かりやすくクラッシック音楽における「不協和音」の役割や魅力を解説した番組で、とても興味深かったです。
「不協和音」とは、不安定でまとまりがない和音のことを言います。複数の音を同時に出した時、全体が調和せず、居心地の悪い印象があるのが特徴で、文字通り「協和しない不快な音」を指します。「不協和音」という言葉は、音楽だけでははく、ビジネスシーンでも、特に人間関係が上手くいかない時等に使われます。
番組ではマエストロ鈴木優人氏が、私たちが耳にしたことのあるクラッシック音楽を用い、「不協和音」がある原曲と、「不協和音」を取り除き編曲した原曲とを、聴き比べ「不協和音」の存在(役割や魅力)を感じ取らせてくれました。
その時の私の感想ですが、「不協和音」が無い音楽は、耳障りよく、ホンワカした優しさをもって、曲が流れます。一方で「不協和音」が入ると、曲に力強さや厚みが増し、何より曲にメッセージ性があるのです。不協和音の役割や魅力が感覚的に伝わりました。
バッハもモーツァルトもベートーヴェンもワーグナーも、ストラヴィンスキー、等、等、多くの有名な作曲家たちにとっての「不協和音」は、単なる不快な音ではなく、新たな時代を切り拓いていくために必要不可欠な、可能性を秘めた(魅力ある)領域の音なのです。
バッハは、「不協和音の父(マスター)」と言われているそうです。「G線上のアリア」も、「不協和音」のレヴェル度の高い曲であるそうですが、私は疲れた時や心身にストレスが溜まっている時に「G線上のアリア」を聴きます。心ががとても落ち着き、穏やかになるのです。不思議ですね。
研修の場で、職場の「不協和音」を訴える受講者が最近多くなりました。特定の人との関係だけでなく、チームや職場全体の問題等、調和がとれていない状態に悩んでいます。
「ダイバーシティ時代」「VUCA時代」を語るのでしたら、価値観の違い、一人ひとりのパーソナリティの違い、人は自分の思い通りにはならないこと等は、大前提にしなくてはならないはずです。
規律を守ったり、和を重んじることは大切なことですが、自分との違いを否定したり、避けたり、攻撃したり、人間関係を切っているようでは、既成概念を打ち砕くこと、新しい時代を切り拓いていくことは難しいです。
「不協和音」の本来の意味や役割を正しく理解すれば、新しい対応の仕方が発見できるかもしれません。きっと、化学反応がおき、人も組織もイキイキと成長していくために必要なヒントが隠れていると思います。
「不協和音」は、新しい世界を創っていくための「必要悪」です。新しい価値観に気付けるきっかけです。
さて、私の中の「不協和音」は「イチゴ大福」と「ツナマヨおにぎり」。「イチゴ」も「大福」もそれぞれ美味しいのに、敢えて大福の中にイチゴを入れる必要は無いし、第一にそれぞれの美味しい味を汚す、ミスマッチ!!ってことです。
「ツナマヨおにぎり」も、「ご飯」にツナマヨは合わない!ツナマヨはサンドイッチ!・・不協和音ダイ。この抵抗感は私だけではなく、所ジョージさんもテレビ番組の中でおっしゃっていました。
ところが、今の私は、「イチゴ大福」が大好きです。普通の「大福」と「イチゴ大福」を一緒に考えるから「不協和音」が生じていたのです。「イチゴ大福」は、新しい別物のスウィーツなのです。現在は、ミカンやメロン、マスカット等、色々なフルーツ大福がありますが、最初に作った方は素晴らしい!
「ツナマヨおにぎり」は、ずっとずっと抵抗感があり食べませんでしたが、「不協和音」の学習をした後、“食べてもいないのに、不協和音(不一致)を何故語る!”ですね。
勇気を出して恐る恐るチャレンジしました。ウ~、悪くない!もしかして“癖になる味”かも。既成概念に縛られていたら人間成長できませんね。
「不協和音」は、新しい価値観に気付けるきっかけ、新しい時代の突破口でした。
改めて、秋元康氏作詞の、欅坂46の「不協和音」の歌詩を読んでみました。秋元氏は流石です。「不協和音」素晴らしい。
「私が興味を持っているのは、あらゆる伝統から解き放たれた音だけだ。」
~K.ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」の作曲者~
LOVE
2025年7月1日
植田亜津子
クシシュトフ・ペンデレツキ(1933年 – 2020年)は、ポーランド出身の偉大な作曲家であり、彼の作品は20世紀後半から21世紀にかけての現代音楽の発展において極めて重要な役割を果たしました。ペンデレツキの音楽は、伝統的なクラシック音楽の枠を超え、彼自身の革新的なアイディアと深い探求心によっ新たな表現の領域を開拓しました。 「広島の犠牲者に捧げる哀歌」(Threnody to theictims of Hiroshima)は、ペンデレツキの最も有名な作品の一つとして広く知られ、1960年に作曲された弦楽オーケストラのための作品です。 |