「仕事で成功する人とは?」という質問を20代の男性受講者から受けました。皆様はどう答えられますか?
 仕事のできる人、頭の良い人、目標のある人、話術の巧みな人、努力されている人、・・・?! 私は「仕事を楽しんでいる人」と応えました。周囲をみても、仕事で成功されている方々は、仕事を楽しんでいます。
 考えてみましょう。月曜から金曜まで、朝9時~夕方6時(昼休み1時間)まで働くとしたら、睡眠時間を除けば、平日は半分以上の時間が仕事の時間です。この時間を楽しんでいる人と、ふて腐れ、苦しみもがいている人とでは、その時点で既に大きな差が出ています。

 仕事を楽しんでいる人の脳は、「仕事は“自分を楽しくしてくれるもの”」とみなし、益々仕事に励むよう、脳が積極的に応援するそうです。それがスキルアップやキャリア形成に繋がるのです。そんなに頑張ったつもりはないが、気が付けば、いつの間にか立場を得ていたり、高収入を得ているということでしょう。
 一方、いつも仕事に不平不満を募らせていたり、仕事や環境から逃げ出すことばかりに時間を費やしていたり、問題を全部他人のせいにしている人は、脳からの応援がありません。当然仕事の質も上がりません、スキルも磨けません、知識も増えません、視野も拡がりません。普通に考えて、成功へのレベルは上がらないということです。
 
 「仕事を楽しむといっても、私の仕事(業種)は面白くありません!」という声が聞こえてきます。→ ハイ!お答えします。「働く努力」はとても大切ですが、もっと大切なことは「仕事を楽しくするための努力」です。それを忘れていませんか?!忘れていた人、「ボーっと生きてんじゃねえよ!」って、NHKのチコちゃん(5歳)に叱られます。
 どのような仕事もやらされ感でしていたら面白くありません。楽しく仕事をするには、仕事に戦略を建てることです。指示された仕事であっても、自分で考えて自分主体で仕事をするのです。例えば、うるさい上司であっても「この上司の口を塞ぐためには、どうすべきか?!」あれこれ頭を使って戦略を練っていきます。それは、まるでゲームのように醍醐味があるのです。提案の仕方を変えたり、説得力のある材料を付けたり、上司の心理を予想したり・・・等です。また、現在やっている仕事をもっと効率的に終わらせるためには、また、この仕事の後にはどんな力が付くかを考えたり、これが出来たら周りがどんなに喜ぶか・・等を想像する事もワクワク・ドキドキします。未来を予測しながらチャレンジ精神をもって夢(目標)に向かって仕事をする事こそ、成功の道です。
 このように、自分の頭であれこれ作戦を練り、目の前の一つ一つの目標を突破していくから仕事は面白いのです。「この課題を突破したら、お客様が喜んでくださる」「次は支店長を唸らすような仕事をしよう」「次は社長を・・・」等と先をイメージし、そのレベルをどんどん高めます。楽しく仕事をしている人は「自分発の仕事」をしている人です。

 最近、新人や若者が企業を辞めることが問題になっていますが、転職しても、憧れの仕事に就いたとしても、仕事を楽しめない人にはキャリア形成は難しいですね。思うようにいかないことや、嫌なことは働いていれば誰にでもあります。そういう時は、「もっと私はこうしたいです」「こういうふうに職場を変えたらどうでしょう」と提案という形で自分の思いや、考えを口に出してみることが必要です。共感者はいるはずです。あなたの周りが応援者で一杯になるかもしれません。
 あなたの意見はあなたの夢でもあります。夢を語れる人は、他人にも夢をみせることができます。そういう人が人生において成功する人であると思います。

 少し私のことを言わせて戴きます。人からよく「働きっぱなし」と言われます。そう思われても仕方ありません。休日も執筆したり、常できない仕事関連の調べ物をしたりしていますから。しかし、私は仕事を楽しんでいます。勿論プライベートの時間も大切にしています。母の介護も楽しんでいます。
 考えてみれば、私は一つの企業の中ですが、色々な業務を体験してきました。秘書、営業職、マネジメント職、どの仕事も学びが多く楽しかったです。痛い失敗経験も多々ありましたが、それが行動改革のきっかけとなり、楽しい想い出となっています。それらの仕事経験の数々が、現在へと繋がっています。現在の仕事は私の夢に繋がっています。
 
 研修受講者からの思わぬ質問から、改めてもっともっと「仕事を楽しむための努力」をしたいと思いました。ビジネスはやっぱり「戦略ゲーム」です。チコちゃんに「ボーっと仕事をしてんじゃねえよ!」と叱られないように!

LOVE
植田亜津子