「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」が、8月28日参議院本会議で可決され成立しました。これにより、従業員301人以上の企業と、国や自治体は雇用主として、女性管理職登用推進に向けた「行動計画」の策定と公表を求められることになります(300人以下の中小企業は努力義務)。行動計画策定は2016年4月1日、その他は公布と同時に施行、集中的に対応するよう施行から10年間の時限立法です。

 思えば、1987年( 昭和62年)4月、「働く女性の活躍支援」を目的として、現在の一般社団法人全国経営診断士会の中に“ニューウエイブプロジェクト”を立ち上げて28年、本法成立は、私にとり感慨深い出来事です。
 平成2年からスタートした「ビジネスマナー・インストラクター養成講座」もその一環で、“職場に女性が活躍する場所を設けたい”“指導的立場の女性を育てたい”“女性の能力の高さ、素晴らしさを男性管理者に認めさせたい”・・等、このような思いでセミナーをスタートし、一心に取り組み27年目を迎えます。期待通り、参加者は男女とも能力を発揮、また、その仕事ぶりを評価され、修了者の殆どが管理職としてイキイキ活躍されています。

 しかし、今まで様々な業種業態(規模の大小はあります)で研修を担当する中、例えば、「新人研修」受講者の男女比率は約半分づつ、女性採用の方が多い企業も多い中で、「管理職研修」では未だに90%が男性です。
 参考までに、「2012年管理職女性比率」で主要7ヶ国(G7)の比較をしてみました。米国43.7%、仏国39.4%、カナダ36.2%、英国34.2%、独国28.6%、イタリア25.9%、日本11.1%と、主要先進国の中で最も低く、世界ランキングでは96位です。今回の法案の可決で、現状の改革に弾みが付いていくでしょう。しかし、特効薬ではありません。
 女性の活躍を推進していくためには、企業側も、上司である男性側も、家族も、何より当事者である女性自身の意識も、様々な課題を解決していく努力がこれから必要となります。決してハードルは低くありませんが、経済発展のためには女性の能力発揮は不可欠です。今、企業側も制度改革に取り組むことだけでなく、働く全ての人々が、意識を変える時なのです。
 活躍したい人がイキイキ能力発揮ができ、子育て中の女性もイキイキ仕事ができ、専業主婦もイキイキ生活ができ、そして男性も輝く、多様な生き方が選択できる社会になってこそ、「女性が輝く社会づくり」であると思います。

LOVE
植田亜津子