レターNo.135「『変化』をどう起こすか!」(2024年8月1日)

 酷暑が続いておりますが、皆様お元気にご活躍でしょうか?
 7月26日に開幕したパリオリンピックが、今熱いですね。8月11日の閉会式迄の19日間に、全329種目726セッションが行われ、毎日見所満載です。パリとの時差が7時間もありますから、Liveでの試合観戦は深夜になります。しばらくは寝不足のまま出勤ですね。
 力一杯戦っているアスリートの姿は、私達に感動と勇気を与えてくれます。また、戦いを終えたアスリートの素晴らしいコメントは、真に胸を打ちます。
 
 さて、管理職やリーダーを対象とした研修をしていると、多くの先輩・上司達(後輩や部下をもつ立場)が、部下・後輩育成という名の下に、思いどおりに動かない部下や後輩を何とか変えようと試みたり、「Z世代は難しい」等と言い訳をして何もしないままに放置していることが伝わってきます。
 しかし、元々人は変化したがらないものなのです。新しい行動や変化を嫌うのは、理性ではなく感情だからです。頭では分かっていても身体が付いていかないのです。

 変わりたくない部下を変化させようとする時、今だに使われているのが、「アメとムチ」です。特定の行動に対して個別のインセンテイブを与えるわけです。しかし、この方法は決して長続きしません。
 次に用いられるのが、部下の問題点を探し出し、それについてフィードバックするという方法です。これもなかなか上手くいきません。なぜなら、上司や先輩のフィードバックは時として否定的かつ高圧的に部下に伝わるからです。人間の脳は「否定されている」と認識すると自動的に警鐘が鳴り、守りに入ってしまうように出来ています。基本的に批判や否定を受け入れない構造になっているのです。Z世代だけではく、X・Y世代も人間は皆、否定に弱いのです。
 部下や後輩のことを考えたアドバイスや提案であっても、彼らが高圧的、指示命令と受け止めれば、脳は直ちに防衛体制に入ります。防衛体制に入ってしまえば全てシャットアウト、それ以上のコミュニケーションは交わせませんから、変化もそこで止まります。いずれにせよ、ちょっとやそっとでは人は変わりません。

 先ず変わらなければならないのは、上司のコミュニケーションスタイルです。上司が変われば、部下も自然に変わります。
 それを助けるのが「コーチングスキル」です。皆様が学んでいるコーチングスキルで自分の中に新しい「習慣」を創り出しましょう。
 先ずは、上司と部下がコミュニケーションを交わすという習慣、上司が部下について考えるという「習慣」を創り出しましょう。そうすることで特別な努力を強いることなく、自身の中に自然に変化が生まれ、部下もその変化に対応できるようになるはずです。
 何であれ新しい「習慣」を創るためには、「習慣」とすべき言動を具体的に決め、それを毎日繰り返して行う努力が必要です。「習慣」化されることで、目標の達成、部下育成の実現はより現実的になります。
 部下との関わりに価値を置く理由の一番は、部下を仕事上で上手に活かすことです。つまり仕事で活躍させることです。大きく言動を変えることは難しいことですが、目の前の小さなコミュニケーションを変えることは容易です。それを「習慣」化する→「継続」→「定着」させましょう。部下が育つことは、上司である自分自身と、組織全体が上手くいくことに繋がります。「三方よし」です。

     “人は、変化しないことのリスクが、
         変化することのリスクを上回った時しか
                     変わろうとしない”

 8月は賑やかなイベントが行われる一方で、お盆や終戦記念日がやってきます。生命を巡る「静」と「動」のコントラストが際立つ一ヶ月でもあります。想い出に残る8月をお過ごしください。

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植田亜津子

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