レターNo.129「大好きなチョコレート」(2024年2月1日)

 皆様お元気にご活躍でしょうか。寒さ厳しい2月ですが、陽差しの中に、路地の草木に、小さな春を発見すると、心がブギウギします。また、2月は季節を感じさせる色々な祭事があります。☆節分(2月3日)☆立春(2月4日)☆針供養(2月8日)☆札幌雪まつり(2月4日~11日)☆建国記念日(2月11日)☆バレンタインデー(2月14日)☆天皇誕生日(2月23日)☆富士山の日(2月23日)☆うるう年(4年に一度/2月29日)・・・等。この中でも、多くの日本女性が参加するイベントは、バレンタインデーですね。

 「バレンタインデー(St. Valentine’s Day)」が、「愛の日」になった由来をご存じですか? 
 3世紀まで遡ります。古代ローマ帝国の皇帝クラウディウスⅡ世は、兵士が愛する人と別れ、後ろ髪を引かれる思いで戦場に赴いては士気が下がると、若い男性の結婚を禁止しました。しかし、バレンタイン(バレンティノ)司祭は、皇帝の命に逆らい、たくさんの結婚式を執り行いました。皇帝の怒りに触れたバレンタイン司祭は処刑されました。刑の執行日であった2月14日が、バレンタインデー(聖バレンティノの日)です。元々は、親子が愛の言葉や、教訓を記したカードを交換する慣わしでしたが、20世紀になると恋人や夫婦等、男女でプレゼントやカードを贈り合うように変化していったと言われています。
 
 日本でバレンタインデーが知られるようになったのは、1958年(昭和33年)頃からです。製菓会社とデパートが「バレンタインデーにチョコレートを贈ろう」というキャンペーンを行ったことがキッカケと言われ、1970年代には既に女性から男性にチョコレートを贈る“日本流バレンタインデー”は定着し、現在に至っています。最近では、ジェンダーを問わず、愛の気持ちを込めたプレゼントを贈る日であったり、“自分へのご褒美”を贈る日にもなってきています。よいことですね。
 既にデパートには、目が飛び出るようなお高いブランドチョコレートが競うように並んでいますが、私の学生時代は、モロゾフやゴンチャロフがトレンドでした。時代を感じます(*^_^*) 。

 チョコレートには、カカオポリフェノールが豊富に含まれていますので、健康と美容によいことが知られ、健康食品としてもチョコレートの人気は上がる一方です。因みに、
3000年前のマヤ文明では、疲労回復の薬として使われていたそうです。
 チョコレートは、渡す方も、渡される方も、そこに笑顔“(*^o^*)チョコ(*^o^*)”が生まれます。正に、Happy Valentine’s Day!
 
 一つ口に入れるだけで、人を幸せにしてくれるチョコレートですが、知っておいて欲しい、ビターなお話をします。
 チョコレートの主な原料はカカオ豆です。世界のカカオ豆の70%以上は、ガーナとコートジボワールで栽培されています。
 カカオの生育条件は非常に厳しく、平均気温27℃以上、湿度が70%~100%で、降雨量が年間2000mm以上であること等、限られた環境下でしか栽培できません。これらの産地は、地球温暖化によって土地の乾燥が進み、カカオの生育が妨げられているのです。今後30年間で、地球の温度は2℃上昇するという研究報告がありますが、それはカカオの産地が、壊滅する方向に進んでいるということです。将来はチョコレートは食べられなくなるかもしれません。
 カカオの木は繊細で、特に病気に弱いという特徴があります。国際ココア機関からは、病気と害虫の影響でカカオの木が生育不可能になり、世界のカカオ生産の30~40%が失われたという、心配な報告も出ています。カカオの木が失われることは、カカオで生計を立てる数千万人の生活も脅かされることになるのです。
 カカオの生産者は、カカオ豆の買取価格も低く抑えられているため、零細農家が多いのが現状です。そのため貧困から脱却できず、結果子ども達を学校に行かせられず、児童労働の温床にもなっています。働いている子供達は、チョコレートは食べられないのです。
 また、カカオの樹齢も高くなり、そこに気候変動の打撃も加わり、収量が低下する等、カカオの生産は、更なる追い打ちをかけられている状態です。カカオの収穫から収入を増やそうと、少しでも生産量を高めるために森林伐採が広がっていることも深刻です。
 現状を改善するために、企業を巻き込んだ取り組みが現在進められてはいますが、改革は一筋縄ではいかないようです。
 このように、私たちがいつでも気軽に、コンビニ等で購入できる、甘いチョコレート、その裏側には深刻な問題(地球環境、森林伐採、貧困、児童労働等)が起こっていることを、忘れてはならないのです。
 
 今年はうるう年で、一年が一日だけ多くなります。4年に一度しかない、太陽がプレゼントしてくれた2月29日を有意義にお過ごしください。

LOVE
植田亜津子

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