レターNo.91「最近気になる“言葉づかい”」(2021年3月1日)

 公園のレンギョウが太陽の光を浴び、金色に輝き、「ガンバレ」と応援してくれているようで、出勤時遠回りになりますが、公園の中を歩いて駅に向かっています。
 レンギョウは、春を待っていたかのように、黄色い花を咲かせる姿から、「希望」「かなえられた希望」「豊かな希望」等、ポジティブな花言葉がたくさん付けられています。
 
 皆様お変わりありませんか? あっという間に3月到来ですね。
 当社では今月から新人研修がスタートします。新人研修は、体力とエネルギーが必要ですが、新人のフレッシュさに元気づけられ、講師のモチベーションも上がる、ヤリガイのある研修の一つです。
 研修担当講師は、事前準備をしっかりして愛情をもって研修に取り組みましょう。

 ところで、最近テレビ等で、「私は○○と思います」という言葉の使い方が、気になります。例えば、
 民放のキャスターやリポーターの、

  「○○さんに、ご意見をうかがいたいと思います」
  「○○さんに、お話ししていただこうと思います」

 料理番組でも、お料理の先生が、

  「お塩を少々入れたいと思います」
  「今から野菜を炒めていきたいと思います」

 ヨガのトレーナーが、

  「少しずつ筋肉を伸ばしていきたいと思います」
  「これから、背伸びをしていきたいと思います」
 
 なぜ、「意見をうかがいます」「お話していただきます」「お塩を少々入れます」「野菜を炒めます」「筋肉を伸ばしていきます」「背伸びをしましょう」・・と、言い切らないのでしょう! 最近は、断定した言い方を避け、全て曖昧に話す傾向にあるのでしょうか?どうも好きになれません。今やっていることに言い切る自信がなく、曖昧に「・・・と思います」を連発しているようにも感じます。 
 私達も、インストラクション時、

  「今から研修を始めたいと思います」
  「それでは練習して頂きたいと思います」等と、言わないようにしましょうね。・・「アッ!ハイ!気を付けたいと思います」??!!・・・危ない、危ない、「気を付けます!」(*^_^*)v

 元々、「私は○○と思います」の表現は、アサーション(自分も相手も大切にする自己表現)の中で、頻繁に活用する「I message(私メッセージ)」という技術で、主語を「私」にして自分の気持ちや意見、感情、状態を伝えるコミュニケーション手法の一つです。
 「(私は)○○さんは、大変努力なさっていると、思います」「(私は)○○さんのお話を、たくさんお訊きしたいと、思います」「(私は)○○さんからお声を掛けて頂き、嬉しいです」「(私は)○○さんからの連絡がないので、心配していました」・・・、これが、「I(私)メッセージ」です。自分の思いや感情を相手に伝えるだけで、判断は相手に任せることが特徴です。相手の意思を尊重しつつ、自分の考えや思いを伝えることができ、お互いの心の距離が縮まるのです。
 先程の、キャスターやリポーター、お料理の先生、ヨガトレーナーの言葉を、「I(私)メッセージ」にするのなら、彼らの言葉の後に、「(○○さんは)どう思いますか?」を付けます。「○○さんに、ご意見をうかがいたいと思いますが、○○さんはどう思いますか?」「お塩を少々入れたいと思いますが、皆さんどう思いますか?」「少しずつ筋肉を伸ばしていきたいと思いますが、皆さんはどう思いますか?」・・・ヘンでしょう! 間違った使い方であることが分かります。気を付けましょう。

 さて、コロナ禍で、研修のオンライン化は急速に進み、今やリモート研修は常態化しつつあります。オンライン上で最も難しいインストラクションは、態度訓練(ビジネスマナー)です。スキルを身に付ける為には理屈なくトレーニングが必要です。
 オンライン研修を担当される指導者は、以下8点を留意し「伝わる研修」をしましょう!

1.マスク着用が必要でない環境なら、指導者も受講者もマスクをとり、お互いに表情が見えるようにしましょう。
2.指導者は、画面(フレーム)の中の自分の表情(笑顔)や動作が、明確にはっきり(くっきり)映るようにしましょう。特に姿勢に気を付け(7つのチェックポイント)、指先を揃え、手の動きをシャープにしましょう。
3.言葉が無機質にならないよう意識的に、滑舌よくメリハリを付けた話し方をしましょう。早口は禁物です。
4.正しい言葉づかいは勿論のことですが、言葉ぐせ(ア~、ウ~、エ~等)に気を付け、話す内容・ポイントを整理し、ダラダラ話さないように気を付けましょう。
5.受講者数が多い場合でも、受講者の名前を出来るだけ入れた問いかけと、受講者の発言に対しては、復唱をしましょう。
6.身だしなみは重要です。特にヘアスタイルに気を付け、顔に髪がかからないよう、フェイスラインを出しましょう。プレゼン中に、手が髪や顔に行かないようにしましょう。マスク着用の場合、顔の2/3が隠れますから、おでこを出しましょう。
7.スキル(挨拶やお辞儀、名刺の取り扱い、電話応対等)指導は、説明だけに終わらないよう、画面上でモデルプレイをしっかり見せ、練習時間や発表時間もできるだけつくりましょう。
8.集中力を持続させるために、休憩時間を効果的にとりましょう。(当社:50分研修/10分休憩)

 リモート研修はリアル研修と比べると多くのデメリットがありますが、教育とは知識半分、人間力半分と言われます。人間力は皆様の経験からくるものです。経験談を取り入れ画面イッパイに魅力ある研修を実施なさってください。

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植田亜津子

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