第9回「ラグビーワールドカップ2019日本大会」が、2019年9月20日~11月2日の44日間、日本で開催されています。日本開催はアジアで初めて、また「ティア1」以外の国における開催も初めてで「ラグビーワールドカップ2019日本大会」は、日本だけでなく世界中に感動と勇気を与えてくれています。
同時に、『ラグビーにわかファン』も増えています。私もその一人です。
『ラグビーにわかファン』3箇条は、①ルールはよくわからない。②でも、「ノックオン」はわかるようになった。③とにかくラグビーを観て感動した・・。だそうです。
そもそも、多くの日本人が、ラグビーに関心を示すきっかけとなったのは、2015年イングランドで開催された「ラグビーワールドカップ」です。24年間も勝利がなかった日本代表が、世界ランキング3位の強豪、南アフリカに歴史的な勝利をあげ、世界を震撼させたことは、記憶に新しいと思います。五郎丸ポーズも話題になりました。
日本代表、桜のジャージ軍団「BRAVE BLOSSOMS(ブレイブ・ブロッサムズ)」が、ロシア戦(30:10)、アイルランド戦(19:12)、サモア戦(38:19)、スコットランド戦(28:21)を全て激闘の末勝利し、ベスト8になったことは、日本中の子供からお年寄りまで多く人々の心を歓喜させ、元気にしてくれました。
『ラグビーにわかファン』は、観戦していると色々な疑問や思いが湧いてきます。
<疑問1>「野獣」のように戦うスポーツをなぜ「紳士」のスポーツと言うか?
<感動1>代表チームに様々な国籍の選手が選ばれるのも他の競技にはない魅力で、その外国人選手がジャージの左胸に3本の桜のエンブレムを付け、国家「君が代」を歌い、ワンチームとなって、日本のために戦っている姿。
<啓発1>小柄な選手から大柄な選手、器用な選手、パワーのある選手等、多様な個性をもった選手がラグビーには必要で、その選手たちにプライドと勝利への執念をもたせるマネジメントのあり方、ラグビーこそダイバシティ戦略、大いにビジネスで参考にすべきであり、管理職はリーチ・マイケルから学んで欲しい。
そこで、どんなスポーツでもルールや哲学を知った上で、観戦した方が断然面白いと思い、2冊の本を購入しました(☆ラグビーのルール 超・初級編/☆ラグビー知的観戦のすすめ)。
ラグビーは奥が深いです。私のような『ラグビーにわかファン』の皆様へ、少し学んだことをお伝えします。
ラグビーには、「『スリーサイド』の精神」と「3つの『F』」があり、昔から現在に至るまで、その考え方が脈々と受け継がれています。
1.「『スリーサイド』の精神」
<その1> One Side の精神 = 反則をしない
スポーツの世界でフェアプレイの精神は当たり前です。ラグビーには沢山のルールがありますが、選手はレフリーの判定に異議を唱えません。歴史を紐解くとその理由がわかります。
ラグビーは1823年にイギリスで発祥し、子供をジェントルマンに育てるための手段として様々な教育の場で使われてきました。人格を形成するスポーツとして継承されています。エディー・ジョーンズも「自由が欲しければ、ルールを守るべきである」と言っています。
<その2> No Sideの精神 = 戦いが終わったら敵味方なし
「ノーサイド」の精神を象徴する試合終了を告げる笛。試合が終われば、敵も味方もなく、互いのプレーをねぎらい称え合う。また、試合中選手が負傷退場することがあれば、観客は相手選手だろうが、戦った姿勢に敬意を表して拍手をして選手をピッチの外へ送り出す。選手も観客も紳士の精神。
<その3> For the Sideの精神 = チームのために
ラグビーは厳しいルールの制約上、15(フィフティーン)個々が最大限の力を発揮しただけでは、勝つことはできません。「仲間のため」「チームのため」という自己犠牲の精神と気持ちがなければ、恐怖が先行し相手に立ち向かってはいけません。15(フィフティーン)が One for all 、All for one の為に勇敢に戦う姿に私達は惹き付けられ感動し、試合に夢中になるのです。
2.「3つの『F』」
<その1> Fight(闘志) <その2> Friendship(友情) <その3> Fairplay(公正)
これを知るだけでも、ラグビー観戦のしかたが奥深くなります。試合後のインタビュ―時の15(フィフティーン)の言葉からは、気が付けば「『スリーサイド』の精神」と「3つの『F』」がいつも語られています。私の抱いた疑問や感動した事柄もここにあったのです。「ラグビーには人生の全てが詰まっている」と言う人がいますが、少し分かる気がします。「野獣」と「紳士」と「リスペクトの精神」、大人の粋なスポーツであると思います。
もう一つ知って欲しいことがあります。そもそもラグビーは世界ランクとは別に、各代表の位置づけを明確に区分する「ティア(Tier)」と呼ばれる階級があります。戦績に加えて伝統や格を重んじ、総合的な実力を3段階分けています。「ティア1」に属するのは、イングランドやニュージーランド、南アフリカなど強豪10か国と地域で、最上位にあるチームです。「ティア2」に属するチームは、日本やフィジー、米国、ロシアなど13か国が分類されています。最も下の「ティア3」は、ワールドカップ出場を果たせないチームです。また、「ティア2」に属するチームはかつては「ティア1」と試合を組むことさえ困難だったそうです。
このような観点からも、日本で「ラグビーワールドカップ2019」が開催されたこと自体大変なことなのです。公式キャッチコピーが、「4年に一度じゃない。一生に一度だ。CHANCE IN A LIFETIME」はとても納得できます。
9月20日、日本対ロシア戦から始まった「ラグビーワールドカップ2019日本大会」も、いよいよ決勝戦を迎えます。
ラグビーの母国イングランドと圧倒的なパワーを誇る南アフリカ(愛称:スプリングボクス)が激突します。いずれも過去大会で優勝経験がある実力者同士の戦いとなり、大会ラストを飾る素晴らしい一戦が期待できます。迫力ある試合になりそうですね。応援しましょう。試合は11月2日18:00~会場は「横浜国際総合競技場(日産スタジアム)」です。
誠に勝手ながら私、『ラグビーにわかファン』から『新規ラグビーファン』に昇格させて頂きたくお願い申し上げます。
LOVE
植田亜津子