レター No.50「ひばりのお引っ越し」(2018年4月1日)

 『春先になって、ひばりが麦畑に巣をつくった。
 初夏のある日のこと、大勢の村人たちが、麦畑にやって来て、「そろそろみんなで麦を刈らなきゃいかんなぁ」と話していた。これを耳にしたひばりの子供が、「お母さん麦刈りが始まるから、引っ越しをしようよ」と言った。しかし、ひばりのお母さんは「まだ大丈夫よ」と応えて平然としていた。
 数日たってから、三人の村人がやって来て、「ぼちぼち、麦を刈らなきゃいかんなぁ」と話していた。これを耳にしたひばりの子供は「お母さん、もうダメだよ!麦刈りが始まってしまうよ」と叫んだ。しかし、ひばりのお母さんは「まだ大丈夫よ」と取り合わなかった。
 更に数日後、今度は村人が一人だけやって来て「じゃあ、ぼちぼちやるか」とつぶやいた。そこではじめて、ひばりのお母さんは子供に言った。「さあ、逃げましょう」』
 
 この寓話を「“トヨタの上司”(OJTソリューソン編集/中経出版)」で知りました。この本の中で、工場内の掃除を「みんなでやらなきゃいかん」と、かけ声をかけている内は誰一人として動かない。そういう段階では、まだ現場は本気になっていない。「自分一人でもやる」そう言って、ほうきを持ち出しているメンバーが出てきた時、現場は本気になり掃除を始める。職場のリーダーはそこをしっかり見極めなくてはいけない。「他の人はともかくとして、自分一人でもやる」そういう気持ちが誰かから出てきた時にこそ、現場は動き始める、と言っています。

 この話は共感できますね。皆さんも思い当たる事があるのではないでしょうか? 例えば、CS(顧客満足度)を上げる取り組みを「職場のみんなでやりましょう!」とかけ声をかけても、誰も動かない。一年経っても何も改善されていない。しかし、結果が出ている職場には、必ず一人の行動力のある人が存在しています。

 今、私達の職場に必要なことは、職場が動くことです。水も動かなければ腐ります。「時間がない」「人が少ない」「業務が多い」を弁解にしないで、「自分ひとりでもやる!」の勇気ある行動力こそが、職場に動きをつけます。
 
 特に、4月から新人が入ってくる職場は、明るい職場環境づくりは必須です。どのような新人も新しい職場には夢と希望を持ち、胸を膨らまして入ってきます。勇気あるあなたの一歩から職場改革が始まります。「新しい葡萄酒は新しい革袋に」(マタイ福音書9:17)「新しい葡萄酒は古い革袋には入れない。そんなことをすれば、革袋が破れ酒が漏れるし、革袋も葡萄酒もダメになる。新しい革袋に入れれば、葡萄酒も袋も両方保たれる」

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植田亜津子

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